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【実話】ロマンス詐欺の体験談。被害女性が語る巧妙な手口と、心の傷から立ち直るまで

【実話】ロマンス詐欺の体験談。被害女性が語る巧妙な手口と、心の傷から立ち直るまで
【実話】ロマンス詐欺の体験談。被害女性が語る巧妙な手口と、心の傷から立ち直るまで

はじめまして。心理カウンセラーとして、ロマンス詐欺の被害に遭われた方々の相談に乗っている美桜(みお)と申します。

ロマンス詐欺は、誰の心の隙にも入り込む卑劣な犯罪です。

しかし、その手口と被害者の心理を知ることで、自分や大切な人を守れます。

この記事では、実際に被害を経験した協力者の「凛さん」と、心理カウンセラーである私が、リアルな体験談から具体的な対策、そして心の回復までを徹底的に解説します。

この記事を読めば、以下の3つのことがわかります。

  • 被害当事者「凛さん」が語る、ロマンス詐欺被害の全貌
  • 巧妙化する最新手口と、詐欺師をすぐに見抜くチェックリスト
  • 被害後にやってはいけないことと、心と生活を取り戻す具体的なステップ

もしあなたが今、SNSやマッチングアプリでの出会いに少しでも不安を感じているなら、この記事は必ずあなたの助けになります。

どうか、最後までお付き合いください。

目次

これは他人事ではない。40代・50代が狙われるロマンス詐欺の現実

「まさか自分が詐欺に遭うなんて」——。

これは、私が運営するブログやカウンセリングで、被害に遭われた方々が口を揃えておっしゃる言葉です。

ロマンス詐欺は、決して特別な誰かが遭うものではありません。

むしろ、真面目で、人を信じ、誠実に人間関係を築こうとする人ほど、その罠にかかりやすいのです。

なぜ、真面目で誠実な人ほど騙されてしまうのか?

詐欺師は、人の良心や孤独感に巧みにつけ込んできます。

仕事や家庭で責任ある立場を担い、社会的な信用もある40代・50代は、詐欺師にとって格好のターゲットです。

ある程度の経済力があり、離婚や死別、子どもの独立などを経て、心にぽっかりと穴が空いたような寂しさを感じている…。

そんな時、すべてを包み込むような優しい言葉で近づいてこられたら、心が揺らいでしまうのは自然なことなのです。

彼らは、恋愛経験が豊富でないことや、オンラインでの出会いに慣れていないことを見抜き、周到な計画であなたを孤立させ、正常な判断能力を奪っていきます。

決して「騙される方が悪い」のではありません。あなたは、人の心を巧みに操るプロの犯罪者に狙われた、という事実をまず認識することが重要です。

「ブログに寄せられる悲痛な叫び」

私がこの注意喚起ブログを始めたきっかけは、カウンセリングで出会ったある50代の女性の「誰にも言えなかった」という一言でした。

彼女は有名な企業の管理職で、誰から見ても自立した立派な女性でした。

しかし、詐欺師に退職金の一部を騙し取られ、「こんな歳で、若い男の口車に乗せられて…自分の愚かさが許せない」と、深い自己嫌悪に陥っていたのです。

金銭的な被害はもちろん深刻ですが、それ以上に「人を信じた心を裏切られた」という傷は、人の尊厳や自信を根こそぎ奪っていきます。

ブログには、毎日のように同じような悲痛な叫びが届きます。

その一つひとつに目を通すたび、孤立する人を一人でも減らしたい、その一心で私はこの記事を書いています。

増加する被害額と巧妙化する手口のいま

この問題は、個人の問題だけでなく、深刻な社会問題となっています。

警察庁の発表によると、SNSを通じて恋愛感情などを抱かせて金銭をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」の被害は、年々深刻化しています。

手口はますます巧妙になり、投資仮想通貨といった、一見すると恋愛とは関係のない分野に誘い込むケースが急増しています。

これは、恋愛感情を利用して冷静な判断を鈍らせた上で、より高額な金銭をだまし取るための悪質な手口です。

美桜より

美桜(みお)

まさか自分がと感じる背景には、「自分は物事を冷静に判断できる」という自信(正常性バイアス)があります。

しかし、詐欺師は巧みな心理操作で、その自信の土台を少しずつ崩していきます。

毎日続く甘い言葉、将来の約束…そうしたものでドーパミン(快感ホルモン)を分泌させ、一種の依存状態を作り出すのです。

この記事を読むことは、その心理トリックに対する「ワクチン」を打つことと同じ。

どうか、「自分は大丈夫」と思わず、知識という武器を身につけてください。

【被害者インタビュー】凛さんが語る、ロマンス詐欺被害の全記録

ここでは、私のブログの共同運営者であり、過去にロマンス詐欺の被害に遭った凛さん(事務職)の体験談をご紹介します。

彼女のリアルな言葉は、きっとあなたの心に届くはずです。

出会い: マッチングアプリでの魅力的なプロフィール

凛さんが詐欺師と出会ったのは、国内でも有名なマッチングアプリでした。

数年前に離婚し、仕事と家の往復だけの毎日に、どこか寂しさを感じていたと言います。

「彼のプロフィールは、とても魅力的でした。シンガポール在住の日本人で、自分で貿易会社を経営者として切り盛りしていると。写真は、爽やかな笑顔で、高級そうなスーツを着こなしていました。趣味は旅行とワイン。まさに、理想のパートナー像そのものでした」

今思えば、あまりに完璧すぎるプロフィール。

しかし、日々の生活に彩りを求めていた凛さんにとって、彼の存在は輝いて見えたのです。

関係構築: 毎日続く甘い言葉と、巧みな自己開示

マッチング後、すぐに彼の方から「もっと君のことを知りたいからLINEで話さない?」と誘われました。

そこから、毎日のようにメッセージが届くようになります。

「おはようからおやすみまで、本当に途切れることなく連絡をくれました。『仕事で疲れても、凛と話すと癒やされる』『早く日本に行って、君に会いたい』そんな言葉を毎日くれるんです。彼も幼い頃に両親を亡くしたと身の上を打ち明けてくれて、私と同じ孤独を抱えているんだ、と強い親近感を覚えました」

詐欺師は、このように頻繁な連絡と巧みな自己開示によって、短期間で相手との心理的な距離を縮めます。

これを心理学では「グルーミング」と呼び、信頼関係を築くための常套手段です。

信頼の獲得: 少額の投資話と「成功体験」

関係が深まった1ヶ月後、彼からFX(外国為替証拠金取引)の話が出ました。

「『叔父が有名な投資家で、絶対に儲かるインサイダー情報があるんだ。凛にも豊かな生活をさせてあげたいから、一緒にやらないか?』と誘われました。最初は怖かったのですが、彼が『僕がサポートするから大丈夫。まずは練習で5万円だけやってみよう』と。言われるがままに専用のアプリをダウンロードして入金すると、1週間で7万円になったんです。簡単にお金が増えることに驚き、彼への信用は絶対的なものになりました」

この「小さな成功体験」こそが、被害者をより深い罠に引きずり込むための、最も巧妙な手口です。

最初に利益を出させることで、「これは本物だ」と信じ込ませ、警戒心を完全に解いてしまうのです。

罠: 高額な仮想通貨への投資勧誘と、断れない心理状況

小さな成功に気を良くした凛さんに対し、彼はさらに大きな投資話を持ちかけます。

「『近々、ある仮想通貨が急騰するという情報が入った。これは1000万円単位で投資しないと参加できない特別な案件なんだ。二人で未来のために、大きな資産を築こう』と。その時の私は、彼との将来しか考えられませんでした。断ったら、この関係が終わってしまうかもしれない…そんな恐怖心もありました」

貯金をかき集め、言われるがままに指定された海外の口座へ何度も送金を繰り返しました。

アプリの画面上では、資産がどんどん増えていくように見えました。それが、すべて偽りの数字だとも知らずに…。

凛(被害経験者)より

凜(りん)

なぜあの時、怪しいと思えなかったのか…今でも不思議です。

でも、当時は彼を疑うという発想が全くありませんでした。

毎日優しい言葉をかけられ、将来の夢を語り合っていると、彼が言うことすべてが真実に思えてくるんです。

周りが見えなくなり、「彼を信じたい」という気持ちが、すべての疑問や不安に蓋をしてしまいました。

一種の洗脳状態だったのだと思います。

発覚: 突然の連絡途絶と、失われた600万円

凛さんが合計で600万円を送金した直後、彼は「最後の大きな取引のために、あと500万円必要だ」と要求してきました。

さすがにこれ以上のお金は用意できないと断った瞬間、彼の態度は豹変します。

「『君は僕たちの未来を壊す気か!』と激しく罵倒され、その翌日から、LINEは既読にすらならなくなりました。

電話も通じない。あの時、やっと自分が騙されていたことに気づいたんです。

頭が真っ白になり、血の気が引いていくのが分かりました」

アプリも開けなくなり、彼と繋がる術はすべて絶たれました。

残ったのは、空になった銀行口座と、計り知れない絶望感だけでした。

絶望: 被害後に襲ってきた自己嫌悪と人間不信

被害に遭ったこと以上に凛さんを苦しめたのは、自分を責める気持ちでした。

「どうしてあんな簡単な嘘を見抜けなかったんだろう、と。家族や友人に何て言えばいいのか分からず、誰にも相談できませんでした。夜も眠れず、食事も喉を通らない。人が怖くなり、外に出ることもできなくなりました。お金だけでなく、未来への希望や、人を信じる心…すべてを失ったと思いました」

多くの被害者が、凛さんと同じように深い自己嫌悪と人間不信に陥ります。

この心の傷こそが、ロマンス詐欺がもたらす最も深刻な被害なのです。

凛さんの体験談から分析する、国際ロマンス詐欺の典型的な手口

凛さんの痛ましい体験は、決して特別なものではありません。

彼女が経験した手口には、国際ロマンス詐欺に共通する、典型的なパターンがすべて含まれています。

ここでは、その手口を6つのステップに分解し、詳しく解説します。

このパターンを知っておくだけで、詐欺師の罠を早期に見抜ける可能性が格段に高まります。

ステップ1:ターゲット選定 – SNSやアプリで「心の隙」を探す

詐欺師は、FacebookやInstagram、そしてマッチングアプリなどで、ターゲットを入念に探しています。

彼らが狙うのは、プロフィール写真が一人で写っている、配偶者との死別や離婚をほのめかす投稿をしている、といった「孤独」のサインを発している人々です。

特に、40代以上の単身者は、精神的・経済的なターゲットになりやすい傾向にあります。

彼らは、あなたの心の隙を見つけ出し、そこに入り込むプロなのです。

ステップ2:偽りのプロフィール作成 – 職業、経歴、写真の共通点

次に、彼らはターゲットの理想像に合わせた、魅力的な偽のプロフィールを作り上げます。

凛さんのケースのように、社会的地位が高く、誠実そうな人物像を演出するのが特徴です。

詐欺師がよく使うプロフィール一覧

スクロールできます
職業特徴狙い
海外在住の軍人軍医「極秘任務中」「紛争地域にいる」など、会えない言い訳や連絡が不規則になる理由付けがしやすい。同情心や庇護欲をかき立てる。
投資家経営者裕福な生活や成功をアピールし、資産運用の話に信憑性を持たせる。金銭的なリターンへの期待感を煽る。
カメラマン、デザイナー自由な働き方を装い、時差を気にしない頻繁な連絡を正当化する。海外を飛び回っている設定も作りやすい。魅力的なライフスタイルへの憧れを抱かせる。

使われる写真は、無関係な一般人やモデルのSNSから盗用されたものがほとんどです。

ステップ3:関係構築 – 短期間で恋愛感情を錯覚させる心理テクニック

接触後は、ターゲットの恋愛感情を急速に高めるために、あらゆる心理テクニックを駆使します。

毎日数十回にも及ぶメッセージで生活に深く入り込み、「運命の人だ」「君なしの人生は考えられない」といった甘い言葉で、相手が特別な存在であるかのように錯覚させます。

また、自分の(偽りの)弱さや不幸な過去を打ち明けることで、ターゲットに「この人を支えてあげたい」と思わせるのも常套手段です。

ステップ4:金銭要求 – 投資、トラブル、来日費用など様々な口実

絶対的な信頼関係を築いたと判断した詐欺師は、いよいよ金銭を要求してきます。

その口実は実に様々です。

  • 投資・資産運用型: 凛さんのケースのように「絶対に儲かる」という仮想通貨やFXへの投資話を持ちかける(現在最も多い手口)。
  • トラブル型: 「事業で急なトラブルが起きた」「事故に遭ってしまった」「子どもが急病で手術費用が必要だ」など、緊急性を装い同情心に訴える。
  • 送金トラブル型: 「あなたに送るはずのプレゼントが税関で止められた」「日本へ行くための資金を送ろうとしたら口座が凍結された」など、手数料や解除金の名目でお金を要求する。

どの口実にも共通するのは、「二人の未来のため」「あなたを助けたい」という、恋愛感情を巧みに利用した殺し文句です。

美桜(みお)

恋愛感情を利用した心理操作(グルーミング)は非常に危険です。

詐欺師は、あなたの優しさや愛情を人質に取ります。

要求を断れば、相手を裏切ることになる、この関係が終わってしまうかもしれない…

そう思わせることで、冷静な判断をさせなくするのです。

もし、相手との関係で少しでも「怖い」「断れない」と感じたら、それは健全な恋愛関係ではありません。

勇気を出して、その関係から距離を置くことを考えてください。

ステップ5:送金 – 仮想通貨や海外口座への送金を要求する理由

詐欺師は、必ずと言っていいほど、追跡が困難な方法での送金を要求します。

具体的には、海外の個人名義の銀行口座や、暗号資産(仮想通貨)取引所の口座を指定してきます。

これは、日本の警察弁護士が介入しても、資金の回収を極めて困難にするためです。

絶対に、会ったことのない相手の指示で、よくわからない口座にお金を振り込んではいけません。

ステップ6:関係の終焉 – 追加の送金を要求し、断られると音信不通に

一度送金してしまうと、詐欺師は「手数料が追加で必要になった」「もっと大きな利益を得るチャンスだ」などと、様々な理由をつけてさらなる送金を要求してきます。

そして、ターゲットがお金を用意できなくなった、あるいは疑いを持ち始めたと察知した瞬間、すべての連絡を絶ち、SNSアカウントを削除して姿を消します。

これが、国際ロマンス詐欺の悲しい結末です。

あなたは大丈夫?詐欺師をすぐに見抜くための危険度チェックリスト

ここまで読んで、「もしかして、私のやり取りしている相手も…?」と不安になった方もいるかもしれません。

ここでは、凛さんの体験談や多くの被害相談から見えてきた、詐欺師に共通する危険なサインをチェックリスト形式でまとめました。

一つでも当てはまる項目があれば、要注意です。

プロフィールで見抜くポイント7選

まずは、相手のプロフィールを入念にチェックしましょう。詐欺師は細部に嘘が隠れています。

  • プロフィール写真が美男美女すぎる(モデルや俳優の写真を無断使用している可能性がある)。
  • 海外在住で、医者、軍人、投資家など、社会的地位の高い職業を名乗っている。
  • プロフィールの日本語が、翻訳機を使ったような不自然な言い回しになっている。
  • 友人が極端に少ない、または外国籍の友人ばかり。
  • 過去の投稿がほとんどなく、アカウントが作られたばかり。
  • 写真に対して、友人からのコメントやタグ付けが一切ない。
  • Googleの画像検索でプロフィール写真を検索すると、全く別の人物のSNSやサイトがヒットする。

やり取りの中で見抜くポイント10選

メッセージのやり取りは、相手の正体を見抜くための宝庫です。少しでも違和感を覚えたら、立ち止まってください。

会話の危険度チェックリスト
  • マッチング後、すぐにLINEなど外部のSNSに誘導する
  • 日本語の文法がおかしい、漢字の使い方が不自然
  • 「君だけ」「運命の人だ」など、出会って間もないのに大げさな愛情表現を多用する
  • こちらの質問にはぐらかし、自分のこと(仕事内容など)を具体的に話そうとしない
  • 必ず「さん」付けで呼ぶなど、妙に丁寧すぎる、または馴れ馴れしすぎる
  • 都合が悪くなると「仕事中だった」「軍の任務で…」などと言い訳をする
  • 日本の文化や時事問題に極端に疎い
  • ビデオ通話を頑なに拒否する(「カメラが壊れている」「電波が悪い」など)
  • 「二人だけの秘密」などと言って、周囲に相談させないように仕向ける
  • 最終的に、何らかの口実で「お金の話」をしてくる

「お金の話」が出た時の最終確認事項

どんなに信用できる相手だと思っていても、お金の話が出た瞬間に、それは詐欺である可能性が99%だと考えてください。

特に、「投資」「仮想通貨」「送金」といったキーワードが出てきたら、それが最終警告です。

一度冷静になり、「なぜ、会ったこともない私にお金の話をするのだろう?」と自問自答してみてください。

本当の恋愛関係であれば、安易にお金の要求などするはずがありません。

凜(りん)

今思えば、怪しいサインはたくさんありました。

ビデオ通話を頼んでも「軍の施設だからカメラは使えない」と断られたり、会社名を聞いても「機密情報だから言えない」とはぐらかされたり…。

でも、当時は彼の言葉を信じたい一心で、すべての違和感を自分に都合よく解釈してしまっていたんです。

「それだけ重要な仕事をしているんだ」と。お金の話が出た時に、勇気を出して誰かに相談していれば…と、今でも後悔しています。

もしかして?と思ったら…被害を最小限に抑えるための緊急行動マニュアル

もし、この記事を読んで「自分は被害に遭っているかもしれない」と感じたら、どうか落ち着いて、すぐに行動してください。

迅速な対応が、被害の拡大を防ぎ、解決への第一歩となります。決して一人で抱え込まず、以下の手順に従ってください。

まずやること:相手とのやり取りをすべて保存する

何よりも先に、相手とのやり取りの証拠をすべて保全してください。 

これは、後の警察への届け出や、弁護士への相談、金融機関への連絡の際に、極めて重要な証拠となります。

  • マッチングアプリやSNSのプロフィール画面をスクリーンショットで撮影する。
  • LINEなどのメッセージのやり取りを、最初から最後まで全てスクリーンショットで撮影する(量が多くても、全てです)。
  • 送金を指示されたメールやメッセージ、相手の口座情報なども必ず保存する。

相手を問い詰めたり、ブロックしたりするのは、これらの証拠をすべて保存してからにしましょう。

相手がアカウントを削除して逃げてしまうと、証拠集めが困難になります。

次にやること:送金先の金融機関に連絡する

銀行振込で送金してしまった場合は、すぐにその金融機関の相談窓口に連絡し、「詐欺の被害に遭った可能性があるため、振込先口座を凍結してほしい」と申し出てください。

「振り込め詐欺救済法」に基づき、金融機関が口座を凍結し、残高が残っていれば、被害額の一部が返還される可能性があります。

ただし、時間が経つほどお金は引き出されてしまうため、対応は一刻を争います。

必ず相談:最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口へ

証拠が揃ったら、すぐに警察に相談してください。

どこに相談すればよいか分からない場合は、まずはお近くの警察署の生活安全課、または以下の相談窓口に電話をしましょう。

「被害額が少ないから」「恥ずかしくて言えない」などとためらう必要は一切ありません。

あなたの相談が、次の被害者を防ぐことにも繋がるのです。

弁護士への相談は有効か?メリットとデメリット

弁護士への相談も、有効な選択肢の一つです。

メリットデメリット
加害者の口座凍結や、被害金の分配手続きなどを代行してくれる。
民事訴訟を通じて、損害賠償請求を行うことができる(ただし、相手の特定が必要)。
法的な観点から、今後の対応について具体的なアドバイスをもらえる。
相談料や着手金などの費用がかかる。
相手が海外にいることがほとんどのため、犯人を特定し、被害金を全額回収することは極めて難しいのが現実。

まずは、初回無料相談などを実施している法律事務所を探し、被害金の回収の可能性や費用について、冷静に話を聞いてみることをお勧めします。

美桜(みお)

被害に遭った直後は、パニックになり、誰にも相談できずに孤立してしまいがちです。

しかし、そんな時こそ、第三者の客観的な視点が必要です。

警察や弁護士といった公的・法的な機関に話すことは、単に手続きを進めるだけでなく、「あなたは一人ではない」という心強いメッセージを受け取ることでもあります。

話すことは、心の回復への第一歩です。どうか、一人で戦おうとしないでください。

絶対に手を出さないで!被害者をさらに苦しめる「二次被害」の罠

ロマンス詐欺の被害者をさらに苦しめるのが、「二次被害」の問題です。

犯人からお金を取り返したい、という藁にもすがる思いにつけ込む、新たな詐欺やトラブルが存在します。

どうか、これ以上傷口を広げないでください。

「失ったお金を取り戻します」という甘い誘惑

SNSやインターネット広告で、「海外の詐欺師からでも、ハッキングでお金を取り戻します」「被害金回収率95%」などと謳う、探偵や調査会社、IT専門家を名乗る業者を見かけることがあります。

しかし、これらの多くは詐欺、あるいは非常に高額な料金を請求する悪質な業者です。

彼らは「調査費用」「着手金」などの名目で先にお金を要求し、結局「相手の特定は不可能でした」などと言って、何もせずに終わることがほとんどです。

失ったお金を取り戻そうとして、さらにお金を失うという最悪の事態に陥りかねません。

法的な根拠なく個人の資産を動かすことは不可能であり、そのような甘い話は絶対にないと肝に銘じてください。

探偵や調査会社を名乗る高額な請求

中には、実際に調査を行う業者もいますが、その費用は非常に高額です。

相手の特定につながる情報がほとんどない中で調査は難航し、気づけば数百万円もの調査費用を請求されるケースもあります。

前述の通り、犯人が海外にいる国際ロマンス詐欺では、たとえ相手を特定できたとしても、そこからの返金交渉は絶望的に困難です。

費用対効果を冷静に考える必要があります。

被害体験をネタにした誹謗中傷

勇気を出してSNSなどで被害体験を公表した際に、心ない言葉で誹謗中傷を受けるケースもあります。

「なぜ騙されたのか」「自業自得だ」といった言葉は、被害者の心をさらに深く傷つけます。

もし被害を公表する際は、信頼できるコミュニティを選んだり、匿名性を保ったりするなど、自分の心を守るための工夫も大切です。

あなたの勇気ある行動が、誰かを傷つけるために利用されてはなりません。

被害の傷跡から立ち直るために。心理カウンセラーが教える3つのステップ

お金を取り戻すこと以上に難しく、そして大切なのが、傷ついた心を取り戻すことです。

被害の直後は、絶望感で何も手につかないかもしれません。でも、大丈夫です。

時間はかかっても、必ず前に進むことはできます。ここでは、心理カウンセラーである私が、心の回復に向けた3つのステップをお伝えします。

ステップ1:自分を責めない -「騙された自分」ではなく「騙した相手が100%悪い」と認識する

まず、最も大切なことからお伝えします。

どうか、これ以上ご自身を責めないでください。

「なぜ、あんな嘘に気づかなかったんだろう」「私が愚かだったからだ」…そう考えてしまうお気持ちは、痛いほどわかります。

しかし、あなたは何も悪くありません。

悪いのは、人の優しさや孤独感につけ込んで、あなたの大切なものを奪った詐欺師、ただ一人です。

あなたは、人を信用し、真剣に関係を築こうとしただけ。

その純粋な気持ちが、犯罪者に利用されたのです。騙されたという事実は、あなたの価値を何一つ下げるものではありません。

まずは、「自分は被害者である。悪いのは100%相手だ」と、何度も自分に言い聞かせてあげてください。

美桜(みお)

私が協力者の凛さんと初めて会った時、彼女は「自分が愚かだったから、すべてを失ったんです」と涙ながらに語り、自分を責め続けていました。

私は彼女に、ただ「あなたは悪くないですよ」と伝え続けました。

最初は信じられない様子でしたが、カウンセリングを重ね、同じような被害に遭った人々の存在を知るうちに、少しずつ自分を許せるようになっていきました。

彼女が笑顔を取り戻し、「この経験を、次の被害者をなくすために役立てたい」と言ってくれた日のことを、私は一生忘れません。

ステップ2:感情を吐き出す – 信頼できる友人、家族、専門家に話す

被害の事実を誰かに話すのは、とても勇気がいることです。

しかし、一人で感情を抱え込んでいると、心の傷はどんどん深くなってしまいます。

恥ずかしさや罪悪感といった、ドロドロした感情を、安全な場所で一度すべて吐き出してしまうことが大切です。

もし、ご家族やご友人に話すのが難しければ、私たちのような専門家を頼ってください。

心理カウンセラーや、各自治体が設置している犯罪被害者支援窓口などには、守秘義務があります。あなたの話を否定したり、責めたりすることなく、ただ受け止めてくれます。

話すことで、絡まった感情が整理され、客観的に自分を見つめ直すきっかけにもなります。

ステップ3:日常を取り戻す – 小さな目標を立て、自分を大切にする時間を作る

心の傷を癒やすには、時間がかかります。焦る必要はありません。

まずは、乱れてしまった生活のリズムを取り戻すことから始めましょう。

  • 決まった時間に起き、太陽の光を浴びる。
  • 温かい食事を、ゆっくり味わって食べる。
  • 好きだった音楽を聴いたり、映画を観たりする。
  • 近所を少し散歩してみる。

そんな、ごく当たり前のことで構いません。

詐欺師によって支配されていた時間を取り戻し、「自分のための時間」を少しずつ増やしていくのです。

そうして、小さな「できた」を積み重ねることが、失われた自信と日常を取り戻すための、着実な一歩となります。

凜(りん)

被害に遭った直後は、本当に何も手につきませんでした。

そんな時、美桜さんに「今日は、ベランダの植木に水をあげることだけを目標にしてみませんか?」と言われたんです。

そんな簡単なことさえ、億劫でした。

でも、やってみたら、少しだけ気持ちが晴れたんです。

次の日は、近所のコンビニまで歩いてみる。その次の日は、好きな紅茶を淹れてみる…。

そうやって、美桜さんに相談しながら、本当に赤ちゃんの一歩のようなペースで、できることを増やしていきました。

あの時、一人で抱え込まずに美桜さんに相談したことが、私が前を向けるようになった、一番大きなきっかけだったと心から思います。

まとめ:あなたの勇気が、次の被害者をなくす力になる

この記事では、ロマンス詐欺のリアルな体験談から、具体的な手口、そして被害から立ち直るためのステップまでを詳しく解説してきました。

最後に、大切なポイントをもう一度確認しましょう。

ロマンス詐欺から自分を守るための最終チェックリスト

チェック項目確認内容
出会いの段階プロフィールは完璧すぎないか?写真は本物か?少しでも違和感はないか?
やり取りの段階話がうますぎないか?ビデオ通話を拒否されないか?「お金の話」は出ていないか?
もしも被害に遭ったら証拠は保存したか?金融機関や警察など、相談できる相手はいるか?緊急連絡先を控えているか?
あなたの心「騙された自分は悪くない、100%相手が悪い」と思えているか?一人で抱え込んでいないか?

もし今、あなたが被害に遭い、暗闇の中にいると感じていても、決して一人ではありません

この記事を読んでくださったあなたの勇気が、次の被害者をなくす大きな力になります。

そして、あなた自身が、再び笑顔を取り戻す力にもなります。

誰かに話すことで、光は必ず見えてきます。どうか、一人で抱え込まないでください。

美桜(みお)

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

もし、あなたが今、誰にも言えない苦しみを抱えているのなら、どうか思い出してください。

あなたを心配し、味方になってくれる人は必ずいます。

この記事が、あなたがその一歩を踏み出す、ささやかなきっかけになれたなら、これ以上に嬉しいことはありません。

あなたは、幸せになる価値のある、素敵な人なのですから。

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